ねじ職人コラム

Screw Craftsman Column

材料

2012/09/10 | 材料
ねじ用材料⑩

ねじ用材料⑩
非鉄金属
アルミニウム
アルミニウムの最も大きな特徴は軽いこと(鉄の約1/3)で、軽量化時代
の主役的な材料と言えます。
その他に錆びにくい、電導性、熱伝導性に優れていることが上げられます。

アルミ成分
純アルミニウムでは強度は低いが、圧延や引抜き加工、合金化や熱処理
(時効処理:表の※印は熱処理が可能) によって鉄に匹敵する強度が得
られます。

耐食性の向上や装飾性の観点から表面処理として陽極酸化処理(アルマイト
)が施されます。

陽極酸化(アルマイト)

2012/08/27 | 材料
ねじ用材料⑨

ねじ用材料⑨
非鉄金属
非鉄金属で主としてねじに使われているのが、銅合金の黄銅(真鍮)、銅、
アルミニウムなどです。

  黄銅(真鍮)  
黄銅は銅と亜鉛の合金で真鍮とも呼ばれ、一般的にねじ用材料に使われて
いるのは銅(CU)が63~67%、残りが亜鉛(Zn)で、合金番号が”C2700“のもの
が最も多く使用されています。
 合金番号の一桁目は、銅及び銅合金を表すC(Copper)です。
(一部にC2600が使用される場合があります。)

銅合金
  
銅は酸素を0.02~0.05%を含み、99.9%以上の純銅で番号C1100
タフピッチ(Tough-Pitch)銅がねじ類に最も多く使われます。
一部には、高級な材料として銅が99.95%以上の無酸素銅(C1020)が使わ
れます。
無酸素銅は抵抗や歪が少なく、特殊な用途に使用されますが、一般の用途に
対してはタフピッチ銅が多く使用されます。

2012/08/06 | 材料
ねじ用材料⑧

ねじ用材料⑧
ステンレス鋼 
フェライト系ステンレス鋼
フェライト系ステンレス鋼でねじ用材料として一般的に多く使用されているのが
クロームが18%含まれていて、”18CR”で呼ばれていた”SUS430”です。

SUS430
”SUS430”の特徴として
ⅰ)焼入れによって硬化しない
ⅱ)磁石につく
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工性は比較的良い
ⅳ)耐食性はSUS410より優れている

オーステナイト系ステンレス鋼
オーステナイト系ステンレス鋼はクローム(CR)が18%、ニッケル(Ni)が8%含んだも
のを指し、18-8ステンレスと呼ばれていました。
ニッケルが含まれたことにより、格段に耐食性は増すが、高クロームやニッケルが
含まれることから冷間加工性に難が生じてきます。

ねじ用材料として”SUS304”、”SUS305J1”などが使われていましたが、
冷間加工性を良くする開発から、Cu(銅)を添加し成分調整した”SUSXM-7”
がねじ用材料の主流となり、現在最も多く使われています。

それでも、加工形状、加工度により、時には難加工材として立ちはだかり、加工油、
工具の吟味、熱を加えた温間加工などが必要なときが有ります。

”SUSXM-7”の特徴
ⅰ)焼入れにより硬化しないが、冷間加工により硬化させる
ⅱ)磁石につかない(加工度により若干磁性)
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工性は多少難加工
ⅳ)耐食性は良好

SUSXM-7

2012/07/23 | 材料
ねじ用材料⑦

ねじ用材料⑦ 
ステンレス鋼
ステンレス鋼(Stainless Steel)は Stainless:錆びない、汚れの無いと訳されますが、
錆びないことは無く、錆びにくい鋼といえるでしょう。

ステンレス鋼にはマルテンサイト系フェライト系オーステナイト系の3種類
に分けられます。ねじ用材料としてはその3種類共が使用されますが、特にオーステ
ナイト系では耐食性は良いが、クローム(CR)やニッケル(Ni)の含有量、割合により、
ヘッダー、転造(冷間加工)時の工具寿命の低下、形状による加工品の割れなどによ
り炭素鋼、合金鋼と比べれば更に難加工材と言えます。

ステンレスとは
ステンレス鋼とは錆びにくい鋼と言いましたが、
この錆びにくくする元素は合金鋼のところのでも記載しましたが、耐食性を
向上させる”Cr:クローム ”の働きによるものです。

 鋼に Cr が 12%以上含むものをステンレス鋼 と呼んでいます。
                            (耐食性 : 錆にくさ)
マルテンサイト系ステンレス鋼

マルテンサイト系ステンレス鋼はねじ用材料として多く使用されています。
クロームが13%含まれていて、”13CR”で呼ばれていました”SUS410”です。
クロームが13%でステンレス鋼の中では含有率が低いことから、耐食性はやや
劣ります。

SUS410
”SUS410”の特徴としては
ⅰ)焼入れにより硬化させることが出来る
ⅱ)磁石につく
ⅲ)ヘッダー、転造の冷間加工が容易
ⅳ)耐食性にやや劣る

2012/07/04 | 材料
ねじ用材料⑥

ねじ用材料⑥
合金鋼
鋼に、より高い強さ、硬さ、耐磨耗性、耐食性、耐摩耗性を得るために、
Ni(ニッケル), Cr(クローム), Mn(マンガン), Si(シリコン), Mo(モリブデン),
W(タングステン), Co(コバルト), B(ボロン), V(バナジュウム)
などの合金元素を
1種類もしくは数種類加えたものが合金鋼です。

加える元素の働きは
元素働き
焼入性
合金鋼を使用する利点の多くは焼入性の向上が上げられます。
上表の元素の働きに有りますように、焼入性を向上させる元素が数点あります。
焼の入れ方として、焼入れの硬さ、焼入れの深さが重要で
焼入れの硬さを支配しているのが C量(C%)
焼入れの深さに影響するのが
C,B、Mn、Mo、Cr の順に影響が弱くなります。

ねじ用材料として多く使用されている合金鋼には”クローム・モリブデン鋼”があります。
クローム・モリブデン鋼 (JISG4105)
クロモリ鋼
クローム・モリブデン鋼の中でも、種類”SCM435“がねじの強度区分10.9にて
多用されています。

  注) 強度区分とは ⇒ http://www.yamashina.ne.jp/column/category/%E3%81%AD%E3%81%98%E3%81%AE%E5%BC%B7%E5%BA%A6/
その他に焼入性を向上させるねじ用材料として多用されているものに ”ボロン(B)鋼”
が有ります。
極微量のボロンを添加することにより焼入性が向上し、ボロン鋼は高価な元素の使用を
削減することが出来ます。
  (※ボロン(B)の添加量は0.003%以下で焼入性が良くなり、実際にJIS規格では
    0.0008%以上とされています。)

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